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耐用年数と解体工事

建物の耐用年数と解体工事の変化

建物には耐用年数が設定されており、減価償却資産の算出で使われる基準値が定められています。木造住宅では22年となっていますし、鉄筋コンクリート造の事務所では50年に設定されています。税務上の年数ですから実耐用年数とは異なりますし、この年数が経過すればすぐに建物が倒壊するわけではないのです。しかしメンテナンスや解体工事を行う基準として参考にすることはできますので、現状の老朽化や劣化度を考慮して解体工事の時期を判断することも可能です。建物はメンテナンスをしなければ耐久性を維持できませんので、メンテナンスフリーで使用できる上限を表していると言えます。木造住宅でも22年以上経過しても普通に生活できる状態のものもありますし、逆に年数が浅くても老朽化が著しい建物もあります。メンテナンスも重要ですが、通風や日照条件によっても建物の耐久性は異なるのです。以前の建築業界では、スクラップ・アンド・ビルドという考えのもと、解体しては新たに新築する工程を繰り返していたため解体工事の需要は高くなっていましたが、現在では寿命まで維持できるように手を加えることで耐久性を高める方向に変化してきています。マンションといえば鉄筋コンクリート造が一般的な構造ですが、マンションの場合には古くなると入居希望者が極端に少なくなるという特徴があります。そのため本来であれば50年程度の耐用年数があるにも関わらず、30年前後で解体されることが多かったのです。現在ではリノベーションやスケルトンリフォームを行うことで専有部分の快適性を保つことが可能ですし、構造体に関しては耐震改修を行うことで耐久性と強度を高めることが可能です。ですから現在では以前のように解体工事を行って新築を繰り返す流れが少なくなってきているのです。建物が寿命までの耐久性を維持できれば、資源の有効利用にも繋がりますし環境にも一定の配慮をすることが可能なのです。しかし極端に古い建物の場合には、耐久性や耐震性を確保し専有部分を作りなおしたとしても、建物全体の設備機器を交換しなければエネルギー効率の悪い建物になってしまいます。建物の生涯にわたってかかる費用をライフサイクルコストと言いますが、維持費やエネルギーにかかる費用が掛かり増しになると、設備機器の交換に高額な費用がかかるため、解体工事を行い新築したほうが経済的なのです。このような解体工事の環境問題に対する流れは、地方自治体でも採用されるようになっているのです。